2017/09/07 (Thu) 村上春樹と魚釣り
村上春樹というと、近ごろはもっぱら揶揄の対象みたいになっていますが、私はストレートに好きなので手に入る本はだいたい読んでいます。
トータルにしたらまあまあの量です。
村上春樹が魚釣りについて書くことはほとんどありません。
でも極まれに見掛ける事があります。
極まれと言うか、私の記憶する限りでは3度。
これまで書かれた文章量全体からすると少ない気もしますが、村上春樹は釣人ではないのでそんなもんでしょう。
で、ちょっと前に読んだ「やがて哀しき外国語」というエッセイにも、少しだけ釣りの話がありました。
びっくりしたので引用します。

彼らの「農場」は全部で六エーカーの広さがある。六エーカーというと、坪になおすと約千三百五十坪になる。アメリカの「農場」としてはそれほど広いわけではなくて、あくまでミニミニ農場という程度のものだが、日本人の感覚からいくとまあかなり広い。敷地の中にけっこう大きな池があって、ここではバース(スズキの類)が釣れるということである。僕は釣り竿を借りてこのバースに三十分ばかり挑戦してみたのだが、残念ながら一匹も釣れなかった。僕が釣り竿を持っているあいだ、彼らの飼っている二匹のラブラドール犬は、猟犬としての本能に駆られて、池の中をざぶざぶと泳ぎ回り、草のあいだに隠れている鴨の夫婦を追い回していた。(p.56)

最初に読んだとき、バースってどんな魚だろう?と思いましたが、よく考えたらこれって十中八九ブラックバスの事ですよね。
釣りの話はここだけですが、まさか村上春樹がバス釣りをしていたとは。
これは1992年前後、アメリカ滞在時に書かれた原稿のようです。
ペンシルベニア州に住むスコット・フィッツジェラルドの孫にあたる方が持つ農場に招待されて、という話の流れでした。
参考までに、スコット・フィッツジェラルドはアメリカの代表的な作家です。
レジェンドです。
釣り業界で言うとリッククランです。
逆に分かり辛いか。
まあいいや。

92年というと、日本でバス釣りがブームになるちょっと手前ですよね。
そういう時代背景も含めて、なかなか味わい深いエッセイでした。

IMG_7205.jpg

プロフィール

六度九分

Author:六度九分
六度九分の本サイトはこちら

検索フォーム

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のコメント

twitter

月別アーカイブ