2010/12/29 (Wed) ツララ×ロクドクブ
年の瀬になってバタバタ過ごしております。

年末にリリースする予定だったダイヴの小魚カラーは、来年に持ち越しとなりました。
申し訳ありません。
2010年の締めくくりとして気合の入った色を塗ったところ、袋小路に入り込んでしまいました。
でもドキっとする色に仕上がりつつあるので、楽しみにお待ち下さい。

もう一件、重大発表があります。

小川健太郎さんがプロデュースされている「ツララ」というロッドがあります。
海外の巨大魚だったり、サーモンだったりを狙うために作られたコアなロッドたちです。
詳しくはHPをご覧下さい↓

tulala_title.jpg


その「ツララ」シリーズと六度九分でクランキングロッドを作る事になりました。
マジです。やります。

今までルアーは散々作ってきましたが、ロッドについてはほぼ未体験ゾーンです。
だから一瞬迷いました。
作るべきか、否か。

私がこの5年で得たモノ作りの方法は「相対化を繰り返す」という事に言い尽くされます。
平たく言えば、AとBを比べて違いを記述し、AとCを比べて違いを、、、、という作業を延々と繰り返すことです。
それが閾値に達すると、自分が作りつつある道具への理解が降りてくる事を身体が覚えました。
私はそれしかやり方を知りません。
でもこの方法については、身に染み付いた揺るぎない確信があります。

モノ作りの基本的な姿勢に変わりはないはず。
それを小川さんと一緒に作れるなら、面白いものが出来るに違いない!

なんてワクワクした予感の中でロッドを作ると決めました。
どうぞお楽しみに。

2010/12/21 (Tue) 冬の朝に
冬の朝はいつも、布団の中で葛藤があります。
寒い部屋、暗い外、草に降りた霜。
想像しただけでもう一眠りしたくなります。
わざわざ早起きして釣りに行く事も無いと言えば無い、のです。
でも私は「朝は魚が動く」論者の端くれです。

虫が羽化するのも花が咲くのも朝が多いんだから、魚だって朝の光に何かの始まりを予感しているはずだろう?
寒くたって小さな何かが動き出すなら、めぐり巡って魚だって動き出すはずだろう?
なんて思いながら、のそのそ布団を出ました。
早起きには明るい展望が不可欠なのですよ。もしくは友達との約束。

今朝はアルデバランMG7デビューの日でもありました。
ギヤ比が7:1である必要性を塚本さんにもう一度問うたところ、アタリを竿で聞くのではなく、ラインテンションで判断するからだとの事でした。
リトリーブ中に違和感を感じたら、とにかく素早くリールを巻くそうです。
魚なら動くし、根掛かりなら止まるから、もし魚であればそのまま素早く巻きながらグニュ~とロッドを立ててフックセット。
いわゆるビシッという鋭いアワセは必要が無く、むしろこの半巻き合わせの方がしっかりフックが刺さるとの事でした。
塚本さんに言わせれば、クランクベイト、特にスモールクランクに付いているフックサイズは小さいので、ライトリグのフッキングと同じような力で問題なく刺さるそうです。
で、大きい魚のスピードを考えたら、7ギヤでないとこの一連の動きをスムーズに実現するのは難しい、と。

ロッドを構える角度も重要と伺いました。
「リールから出るラインとルアーを一直線にして、その線上にロッドの先を軽く乗せるような感覚」でルアーを巻くと、ルアーの振動を感じやすいそうです。
普通に考えると、ロッドとラインの角度が90度に近い方が、ルアーの振動が伝わりやすいように思えます(実際カーボンではその傾向にあるそうです)。
しかしグラスロッドの場合ではルアーの振動を感知する部位が違うらしく、ロッドとラインの角度が浅い方が違和感に気付きやすいそうです。

ん?でもそれじゃあ、ラインテンションに遊びが無くなって、バイトを弾いてしまうんじゃないか、これを聞いて私はそう思いました。
ロッドの柔らかさを生かして食い込ませる、というのがグラスロッドを用いたクランキングの骨法じゃなかったっけ。

こんな感じで、今朝はすっかり頭でっかちになって水際に立ちました。
違和感を感じたらリールを巻け、ね。

とにかく言われた事を一通り試してみます。
まずは「直線になったラインに、そっとロッドティップを乗せる感覚」を実験。
おおお、これは。
ベターなロッドの角度は、風向きやレンジ調整によっても変わってくるのが実感ですが、角度をつけすぎない方がボトムの微細な起伏を感知しやすいのは確かでした。
ロッドとラインの角度が150度くらいの時に、もっともセンシティブな自分を見つけるなんて思っても見ませんでしたよ。

しかし釣れないなぁ。寒いなぁ。ぶるぶる。
沖に向かってフルキャストし、ルアーの振動が感じられるギリギリのスロースピードで巻きます。
枯れた菱のうわ面を、軽くかすめるイメージで巻きます。
しかし護岸の往路ではまるで反応がありませんでした。

折り返し地点に着いて悩みます。
ルアーを止めて誘った方が良いのか、それともバイブレーション的に速度を上げた方が良いのか。

いやいや、今日は水温が7度でもこの速度に反応するかを試しきろう。
復路も半ばを過ぎたあたりで、風が止みました。
体感温度が上がってずいぶん楽になります。

と、突然クッという違和感を覚えました。
いつもの癖で反射的にロッドを煽りそうになります。
ダメダメ、リールを巻け!

イメージトレーニングが功奏したのか、言われた通りに身体が動き、しっかり魚が乗りました。
今までのちびっこマーマーの経験からすると、まず魚はバレないだろう。
針に乗らない魚は居るけれど、バラした魚が一匹も居ないのがこのルアーの美点です。
なんて思いつつ、久々の魚にドキドキしながら岸まで寄せました。

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くっはぁああ、いいサイズ!

魚を掛けて分かった事があります。
先に、ロッドとラインが直線に近いと「ラインテンションに遊びが無くなって、バイトを弾いてしまうんじゃないか」と書きました。
でも、ラインテンションが低い状態でルアーを巻いているので、ラインは思った以上にたるんでいるんです。
だから充分にルアーを食い込ませられます。
さらにこの「適度にたるんだ」状態から、素早くラインテンションを高める事が、魚の反転を促すことに繋がるようです(この時期の魚はあまり反転したがりません、とくにルアーの速度が遅い場合)。
そのための7ギヤだ、と。

ロッドを直線に近い角度で保つことが、柔らかいロッドのパワー不足を補っていることも分かりました。
フッキングモーションのストロークを長く取るには、間違いなくこのポジションがベターです。

キャストから、フッキング、ランディングに至るまでを言われた通りにしてみたら、スモールクランキングの一つの筋道が見えてきました。
なんてスマートなシステムだろう。

2010/12/16 (Thu) TS1610LFを買う
一週間ほど体調を崩しておりました。
年末の忙しい時にやめてくれぃ、な話です。
ゴホゴホ。

昨日はずいぶん回復したので、兵庫の東播野池群まで行ってきました。
NLWテスターのなべさん、ルームズの畑中さん、ナイルの須川さん、地元凄腕のまもるさんにシークレットな野池(今時そんなの無いか、笑)を案内して頂くという豪華ツアーです。

今回の釣行は、つい先日手に入れたファイナルディメンション1610LFを本格的に試すという目的もありました。

この竿を入手するに至ったのは、西根さん達との釣行がきっかけです。
あの時はちびっこマーマーをヴィゴーレ/オリムピックの610Mで投げていました。
何も無いところでフルキャストするには、この竿でこれといった不満はありませんでした。
まずまず柔らかい竿なので、ルアーのウェイトが胴に乗って気持ちよく飛距離が伸びます。
ただ、ちょっとしたオーバーハングの下を狙ったり、バックハンドで杭の向こうへ落とさなければならないような時に、反発力が強すぎてルアーの軌道がどうしても曲がってしまうという問題がありました。
要はキャスト精度に少々難があった、と
軽いルアーを扱うのでどうしようもない面もありますが、岸沿いを狙っていくクランキングにキャスト精度は欠かせません。
どうしたもんかなぁ。

KTWの塚本さんにこの話をしたら、こう言われました。

「1610FLならDTN(ノーマン)でも普通のルアーと同じ感覚で投げれるよ」

まじすか!
そんな甘い言葉を囁かれたら、買わないわけにはいかないじゃないですか。
さっそくネットをくまなく探しました。
そしたらどこにも売ってないんですよ。
凄く人気の竿みたいですね。
これは困ったなと思っていたのですが、ご縁があったのか一週間も経たずにその竿が私の手元に届きました(痴虫さん有り難うございます)。

塚本さんの話では、キャストした後にロッドティップがぴたっと止まるのが一つの特徴だとの事でした。
同じような柔らかさのアメリカンロッドスミスDF70Mと投げ比べてみたところ、ルアーの方向性が定まりやすい点と、飛距離の微妙な伸び(小さいルアーではその差を如実に感じる)については、確かに1610LFの使い心地に分がありました。
まだ魚は掛けていないので「このあと」のことは分かりませんが、キャストからリトリーブの感覚(軽量ルアーが竿に引っ張られすぎない感が良い)まではちびっこマーマーにぴったりでした。

あ、魚は掛けていないって言っちゃいましたね。
そうです、昨日はまるっきりのボウズでした(畑中さんと須川さんは一匹ずつ釣られていました)。
でも3回はアタリがあったんです。
ちびっこマーマーにはスローシンキングモデルもあって、それを昨日はシャッド的に(ゆるいトゥイッチとかポーズとか)使いました。
要はロッドワークでルアーを操っていたということです。
そうなると今度はロッドの柔らかさが仇となって、うまく針に掛けきれなかったようです。
今期いちばんの寒波にすっかり身体が固まっていた、という理由も大きい気がしますけれど。

塚本さんの話では、1610LFを使うときはロッドでアワセるのではなく、ほとんど巻きアワセとの事でした。
そして巻きアワセを実現するには、7ギヤのリールが欠かせないそうです。
その理路も懇切丁寧に解説いただいたのですが、いざ書こうと思ったらきちんと憶えていない事が判明しました。
すみません。
今回、昔のメタニウムMG(6ギヤ)を使っていたのも、魚を乗せ切れなかった原因かもとよぎった次第です。

思い出すと悔しくなってきました。
まだ打つ手はあったんじゃないか、と。
この冬はちびっこマーマーとともにタックル全体を煮詰めます。

2010/12/06 (Mon) JFLCC名古屋を終えて
JFLCCに行ってきました。
生まれてこのかた名古屋に縁が無く、愛知県を歩いたのは今回が初めてです。

4日の夕方に到着して、ルアーショップおおのさんを目指しました。
えらい昔のロッドアンドリールで名古屋釣方の記事を見て以来、おおのさんの名前は、物忘れの激しい私の頭にも残り続けました。
当時のスタッド&ジグヘッドの記事は、相当にインパクトがあったんだなぁ。
西根さんが98年頃に削られたドリームラッシュの原木を見せていただいたり、昔はワームをバラ売りしていて小学生が集まるお店だった話などなど、たいへん温かく迎えて頂きました。

その後は塚本さん夫妻、迷ぴあにすとさんと合流し晩御飯をいただく。
塚本さんご馳走様でした。たいへん美味しいお肉でした。

翌朝は会場であるダイヤモンドホールに9時に到着し、バタバタと準備。
机を川に見立ててオイカワの群れを作り、真ん中に一つだけ真っ黒のキングマーマーを添えてスイミーを演出しました。

10時の開場と同時に、ルアーを偏愛する諸兄がぞろぞろと入場。
絶えず、誰かしら話し相手をしてくれたので、閉場の15時まであっという間でした。
最後の30分で隙を見て会場をぐるりと一周。
オールドへドン、オールドアブといった王道から、塊メンバーのような個人ビルダーまで、偏った釣り道具達がこれでもかと密集していました。

方向性が全然違う、けれど極度に偏った釣り人たちが、クロスオーバーする機会はめったにありません。
「戦前のへドンが面白いんです」なんて普通じゃ聞けない話ですもん。
ブライトリバーのマツモトさんやアカシブランドの明石さん、T,Hタックルの濱田さんやA.H.P.L. の安藤さんなど、こういう機会がないとコンタクトが難しい方ともお喋りできました。
マツモトさんがキングマーマーを持っていらっしゃると聞いて、めちゃくちゃビックリしました。

ビッグオーのオリジナルを拝む幸運にも恵まれました。

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手に取った瞬間、ゾワっと全身の毛が逆立つような感覚を憶えました。
ヘドンやクリークチャブなど、歴史あるオールドルアーに触れても起こらなかったことが起きたのは、やっぱり私がクランクベイトばかりを追いかけてきたからでしょうか。
大きさと言い、形と言い、リップのサイズ・角度と言い、クランクベイトの始まりと呼ばれるルアーがすでに「出来上がっている」ことにドキドキしました。
手紙は「納品予定から一年も過ぎちゃってごめんね」という内容だそうです。
昔からハンドメイドビルダーは似たような感じなんですね。
なんかちょっとホッとしました。

モノからエネルギーをもらい、人からエネルギーをもらい、実りの多いJFLCC名古屋でした。

2010/12/03 (Fri) JFLCCでオイカワの群れが
名古屋行きがとうとう今週末に迫ってきました。
早いもんです。
ルアーはどうにか仕上がりました。

今回は本当に間に合わないかと思いました。
今日塗れなかったらもう無理だ、と分かった時は言い訳が頭に浮かんだほどです。

「どうしても体調が悪くて行けそうにありません、ううぅ残念です」

私が言うと真実味があるでしょう。
はははは。

明日の朝にスイムテストを済ませて、そのまま名古屋に向かう予定です。
塗ったのはオイカワカです。

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いわゆる実在の魚をモチーフに塗るのは、ラメギルとファインルアーズさんのギルカラー以来です。
ルアー作りを6年もやっていて、ブルーギルしか塗った事がないのは問題ありだろう、という事で一念発起しました。

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今回は前々からやりたいと思っていた新しい技法で鱗模様にも取り組みました。
角度を変えると、黄味がかったボディーが一瞬にしてシルバーパールに輝きます。
このあたりは我ながら上出来。

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たしか、私の記憶のある限り、木目を魅せる塗装も今回が初めてです。
よく見ると、キングとダイヴでは微妙に作り方が違うのが分かります。
興味のある方は会場でご確認下さい。
木地の色合いが微妙に違うのと技術的にまだ発展途上なので、色味に個体差がありますが、そこはご愛嬌という事でご勘弁ください。

JFLCCには、私が影響を受けたルアーなども持って行きます。
風鈴とか、めちゃめちゃ使い込んだノーネームの二ゼロとか(生産終了だそうですね、残念)、思ひ出のTDペンシルとか。

名古屋でお会いしましょう。

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